「税理士事務所や会計事務所を開業したいけど、うまく集客が出来るかどうかが不安」
「税理士として、より多くの仕事を任されたい」
税理士業界で働く方の中には、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
現在の税理士業界は、法律の改定や人手不足という背景により、世間からの需要が大きく向上している業界です。
しかし、市場の動向として大手事務所への依頼がより増加しているという動きもあり、規模の小さな事務所や経験が浅い税理士などには、効率の良い集客方法が求められています。
そこで今回は、税理士業界で働く全ての方に向けて、効率的な集客方法やポイントについて詳しくご紹介します。
目次
本記事の目的
本記事の目的は、税理士業界で働く全ての方に向けて、効率的な集客方法やポイントについてご紹介することです。
前述したように、現在税理士の需要は増加している一方で、世の中におけるデジタル化推進の動きや法改正に伴い、働き方も徐々に変化しています。
そんな税理士業界において重要なのは、現在の業界動向を理解するとともに、最適な集客方法について理解を深めることと言えます。
業界における課題や方向性を把握した上で世の中から求められているニーズを理解し、それに対して適切にアプローチ出来るような体制を整えることが重要です。
本記事の内容が、税理士業界に携わる皆様の集客戦略構築に貢献出来れば幸いです。
また、本記事を読んでもなお集客に対して不安を感じる方は、お気軽に弊社までご相談ください。
税理士業界を取り巻く環境
まず初めに、税理士業界を取り巻く環境についてご紹介します。
集客の方法や戦略について理解する際は、税理士業界に限らず、その業界や市場がどのような状況に置かれているのかを理解することが重要です。
業界や市場動向を理解することは、顧客がどのようなニーズを抱えているのかを理解することと同義であり、それらの情報が不足している状態では適切なアプローチを考えることは出来ません。
本項目では、税理士業界を取り巻く環境について、3つの視点からご紹介します。
業界のDX化
一つ目は「業界のDX化」です。
「DX」とはデジタルトランスフォーメーションの略称で、業務やマーケティングにおいてデジタル化を進めることで、様々な面において効率化を図ろうという動きを指します。
現在、世の中の多くの業界/企業では、社内システムやプロセスのDX化が著しく進んでおり、当然税理士業界も例外ではありません。
自社ビジネスを取り巻く環境をDX化することで、業務効率が大幅に改善され、組織全体の業績が改善されている例も多々あります。
また、税理士業界の顧問先における事業継承などで経営者層が若い世代に入れ替わることで、企業組織からのデジタル化に関する相談も急増しています。
自社を取り巻く環境、そして世の中が求めている需要、双方の面でDX化について考えることが重要です。
電帳法やインボイスに関する相談の需要が増加
二つ目は「電帳法やインボイス制度に関する相談の需要が増加している点」です。
電帳法やインボイス制度は、法律によって新たに設けられたルールであり、それぞれの詳細は以下の通りです。
- 電帳法:各税法で保存が義務付けられている帳簿や書類を、電子データで保存するためのルールを定めた日本の法律
- インボイス制度:売り手が顧客に対して正確な適用税率や消費税額などの情報を提供する制度
インボイス制度は令和5年の10月から適用ですが、電帳法に関しては2022年から義務付けられているものであり、そのような動きに伴って企業組織などからはこれらの内容に関する相談が急増しています。
これらの制度はまだ新しく、ルールの詳細や考え方が深く浸透している組織は少ないため、税理士業界が主体的にその構造や仕組みについて知識提供する体制が重要と言えます。
優秀な人材確保が困難
三つ目は「優秀な人材確保が困難」である状況です。
日本税理士会連合会の情報によると、税理士の登録者数はゆるやかに伸びているものの、採用おいては困難な状況と言えます。
(参照:国税庁)
優秀な人材の採用が困難である背景としては、業界の平均年齢が上昇していることによる若手人材の活躍の場の減少(特に女性)や、繁忙期の残業が当たり前である働き方などが挙げれ、それらの状況は離職率の増加にも影響しています。
今後は、税理士業界における集客について考えると同時に、税理士事務所として優秀な人材確保についても考えていく必要があるでしょう。
税理士業界にオススメ!オンライン集客の方法について
次に、税理士業界にオススメできるオンラインでの集客方法についてご紹介します。
前述したように、世の中では業界問わずDX化が進んでおり、それはすなわち世の中におけるインターネットやデジタルの浸透率が向上していることを意味します。
それは、世の中のサービスを受ける顧客についても同様のことが言え、集客戦略においてもオンラインで行われることが主流となっています。
当然、従来のオフラインでの集客戦略の意識を持つことで土台を固めておくことは重要ですが、それ以上にインターネットサービスを駆使した集客方法を理解することが求められています。
本項目では、税理士業界にオススメできるオンラインでの集客方法について5つご紹介します。
SNS運用
一つ目は「SNS運用」です。
SNSとは、Facebookやインスタグラム、TikTokなどのインターネットサービスの総称で、日本国内だけでも日々数千万人が利用しているプラットフォームです。
SNS運用は、今や現代における最大のマーケティング手法と言え、個人や企業がマーケティングの一環としてSNSプラットフォーム上で情報を継続的に発信することを指します。
SNS運用の最大のメリットは、人々が日常的に利用する情報共有プラットフォーム上で、広告費をかけずに自然な形で情報を拡散出来る点です。
無論、多くの人に情報を共有するためにはそれなりの準備や取り組みが必要ですが、継続的に取り組むことで大きな成果を生む集客戦略です。
税理士業界などの専門性が高い分野でのSNS運用においては、業界特有の情報や知識等を、一般の方にも分かりやすいような情報形態に直して、発信/提供する方法が一般的です。
士業におけるSNS運用は、他業界と比較してもまだまだ取り組んでいる事務所や個人も少なく、参入障壁も低いと言えるでしょう。
以下に、税理士業界におすすめのSNSを二つご紹介します。
TikTok
税理士業界におすすめのSNSの一つ目は「TikTok」です。
TikTokは、中国企業が提供する動画配信プラットフォームとして世界中から注目されており、日本でも約2000万人弱のユーザーが日常的に利用しています。
TikTokが提供するプラットフォームは比較的シンプルな構造になっており、初心者でも使いやすい点が特徴です。
提供されているコンテンツは主に数秒から数分の短い動画であり、動画を提供する投稿者側もほんの1分程度で簡単に動画をアップすることが出来ます。
また、ユーザー側は特定の動画を検索する必要は無く、基本的にプラットフォームが各ユーザーに合わせたオススメの動画を提供してくれる構造になっているので、視聴者からしても気軽に利用できる媒体です。
TikTokプラットフォームで活躍する士業を本職とする動画配信者としては、岡野たけし弁護士や税理士りーななどが挙げられます。
気になる方は是非それぞれのリンクから見てみてください。
また、TikTok運用については、TikTokのビジネス活用|成功への道筋をつかむための完全ガイドにて詳しく解説しているので、是非こちらもご覧ください!
YouTube
税理士業界におすすめのSNSの二つ目は「YouTube」です。
YouTubeは、誰もが知るGoogleが提供する動画配信プラットフォームで、短編動画から数時間を超える長時間の動画まで、幅広いジャンルの動画が配信されている媒体です。
一つ前の項目でご紹介したTikTokよりも長く本格的な動画の投稿や閲覧に適しており、対談動画や講義式の動画も多く投稿されています。
税理士業界におけるYouTube運用は、TikTokよりも本格的にSNSを利用して情報を発信したい事務所もしくは個人向けの戦略と言えるでしょう。
また、YouTube運用では動画編集能力や根気強い継続力も必要となるため、生半可な意識で取り組むと失敗してしまう可能性があります。
費やすことが出来る時間、労力などのリソースを十分に考慮した上で、戦略的に取り組むことが重要です。
YouTube運用については、【YouTube運用のコツ】チャンネル登録者数と視聴回数を増やすにて詳しく解説しているので、是非こちらもご覧ください!
リスティング広告の運用
税理士業界にオススメ出来るオンライン集客方法の二つ目は「リスティング広告の運用」です。
リスティング広告とは、GoogleやYahooなどで検索が行われた際に、検索結果の上位に表示する文字ベースの広告を指します。
下記は、「健康食品 おすすめ」という検索キーワードで検索が行われた際に表示される検索結果一覧であり、青枠で囲われた部分がリスティング広告です。
上記の画像のようなリスティング広告は、検索エンジンで検索されるであろう文言やキーワードを予測し、その内容に沿った情報を用意することで、出稿することが出来ます。
リスティング広告における主なプラットフォームはGoogleやYahooであり、それぞれのプラットフォームで専用の管理画面が用意されています。
初見で扱うには少し構造が複雑ですが、個人でも比較的に小予算で広告を出稿することが出来るので、仕組みを理解した上で取り組んでみることをオススメします。
リスティング広告については、「【2023年最新】5分で理解出来るリスティング広告!仕組みや運用方法をご紹介!」にてより詳しく解説しているので、気になる方は是非こちらもご覧ください。
ホームページの強化
三つ目は「ホームページの強化」です。
ホームページについては、今やあらゆる企業やサービスが独自のものを持つ時代であり、税理士業界でもホームページを持つことは一般的です。
しかし、多くのサービスや人を抱える法人といえど、ホームページの質が低い組織は多く存在しているのが現状であり、その差は業界や業種によって様々です。
現代におけるホームページとは、単に企業や組織の情報を提供する手段であるだけでなく、彼らが提供するサービスの質を図るための指標となっています。
ホームページにも、簡易的なものから複雑なものまで存在し、費やす費用やデザイナーによってその質は大きく変わります。
顧客や依頼者から信頼を獲得するためにも、ホームページの質にこだわり、競合や他組織よりも良い印象を与えるものを作り上げることが重要です。
また、ホームページの重要性については、「【2023年超最新】ホームページの重要性とは?メリットや意識すべき点についても徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方は是非こちらもご覧ください!
SEO対策
四つ目は「SEO対策」です。
SEO対策とは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称で、事務所もしくは個人が運営するホームページやウェブサイトが検索結果においてより高い順位で表示されるようにするための施策を指します。
以下の画像は、「税理士 仕事」というキーワードで検索が行われた際に表示される検索結果画面であり、それぞれの記事がSEOの基準に沿って順位付けされています。
現在は、日常的な情報発信や情報提供手段として、事務所や個人がホームページやウェブサイトを運営していることも少なくなく、インターネット上には多くの記事やブログがアップされています。
前述した通り、これらのウェブサイトはすべてSEOの基準によって評価されており、質が高い記事であればあるほど、関連キーワードで検索された際に上位に表示される仕組みとなっています。
検索結果の上位に表示されるウェブサイトには、運営者が何もせずとも人が集まってくるので、一度記事などを投稿してしまえば、その後は無料かつ半自動的に集客出来る状態となります。
とはいえ、このようなリターンが大きい施策にはそれ相応の対策と期間が必要となるため、ブログ運営や記事管理などにおけるSEO対策は、比較的長期的な戦略となります。
SEO対策については、「【2023年】SEO対策とは?具体的なSEO対策を徹底解説!」にて詳しく解説しているので、気になる方は是非こちらもご覧ください!
ポータルサイトへの登録
ポータルサイト例:弁護士ドットコム
五つ目は「ポータルサイトへの登録」です。
ポータルサイトとは、特定の分野の情報やサイトが一つのウェブサイトに集約されているものを指します。
税理士業界におけるポータルサイトとは、「税務や会計のサポートを必要としている依頼者」と「税理士」をマッチングするようなサイトを指し、インターネット上には税理士に特化したポータルサイトもいくつか存在します。
以下は、税理士専用のポータルサイトの例です。
これらのポータルサイトには、すでに多くの依頼者がアクセスしているので、税理士事務所や個人の情報を登録しておくことで依頼を検討している顧客に効率的に情報を提供することが出来ます。
ポータルサイトに登録しておくことで、税理士事務所側には効率的に依頼者にアクセス出来るというメリットがある一方で、依頼者は税理士を探す際の比較や信頼感という面で安心して依頼先を選択することが出来るメリットがあります。
しかし、ポータルサイトに登録している事務所や個人は多く存在し、その中から依頼されるような事務所または個人になるためには、実績やアピールポイントの提供など、何かしらの他事務所との差別化ポイントを明確にしておくことが重要となります。
税理士業界にオススメ!オフライン集客の方法について
次に、税理士業界にオススメのオフラインの集客方法についてご紹介します。
現代における集客方法として主流なのは間違いなくオンラインですが、オフラインでの集客意識も怠ってはいけません。
オフラインでの集客では、依頼者や顧客とより密接に関わることが多くなる傾向にあるため、集客においてより信憑性や信頼度が高い情報を提供する機会があります。
本項目では、税理士業界にオススメのオフラインでの集客方法について2つご紹介します。
紹介をもらう
一つ目は「紹介をもらう」方法です。
税理士業界などをはじめとする士業界では、業界の中での専門や得意分野が人によって分かれているため、同業者の知り合いからの紹介も多くあります。
紹介によって関わりを持つことが出来た依頼者は、オンラインでの集客で獲得した依頼者よりも高い信頼度や安心感を抱いていることが多い傾向にあります。
そのため、求めている価値を提供できた場合はその後のリピーターとなる可能性も高く、集客の方法としては非常に効率かつ生産性が高い手段と言えます。
税理士業界での継続的なオフライン集客を成功させるためにも、業界内での人脈作りは妥協せずに行うことをオススメします。
セミナーや講演会の登壇する
二つ目は「セミナーや講演会の登壇する」ことです。
税理士業界におけるセミナーや講演会では、個人もしくは法人に対して、税務や会計の基礎から応用まで幅広くの情報を提供します。
これらのセミナーや講演会は、税理士事務所自体が企画する場合もありますが、ビジネスオーナーや経営者、投資家が企画して税理士に依頼されるようなパターンも多くあります。
このような場で登壇するためには、それなりの知識や経験、実績が必要となりますが、小規模なセミナーや講演会であれば、経験値が浅い税理士でも人脈によって参加することが出来る場合もあります。
セミナーや講演会は全国各地で定期的に行われているので、それらの情報に対するアンテナを積極的に貼っておくことが重要です。
税理士業界での集客において、意識すべきポイント
最後に、税理士業界で集客を行う際に意識すべきポイントについてご紹介します。
ここまでオンライン/オフライン合わせて計7つの集客方法についてご紹介しましたが、それぞれしっかりとした準備や対策を用意しなければ理想の成果を手に入れることは出来ません。
本記事を読んでいる皆様以外にも、集客に取り組んでいる競合は多く存在するので、彼らに対抗するためにも、戦略的な集客を行う必要があります。
本項目では、税理士業界で集客を行う際に意識すべきポイントについて、5つに厳選してご紹介します。
ターゲットを明確にする
一つ目は「ターゲットを明確にすること」です。
ターゲットの明確化とは、集客を行うにあたりどのような特徴を持つ顧客を対象にするのかを考えることを指します。
税理士業界における依頼者の中にも、法人や個人がいますし、決算書の作成を求めている顧客から会社設立のサポートを求めている顧客まで、様々なニーズがあります。
税理士業界で集客を行うにしても、このような幅広い顧客層の中からターゲットを狭め、事務所や自身の得意分野を考慮した上で対象に沿った文言や情報で集客を行うことがポイントです。
集客に利用する媒体をよく理解する
二つ目は「集客に利用する媒体をよく理解すること」です。
特にオンラインでの集客では、使用する媒体やサービスによって集客の方法は大きく異なります。
利用するサービスの特性や仕組みを理解し、効率的に使いこなすことで、最短距離で質の高い顧客と繋がることが出来ます。
本記事でご紹介しているサービスやプラットフォームに関する知識等は、「集客大全」含め多くの情報提供者が発信しているので、ネットで検索をかけるだけで無料で多くの知識を得ることが出来ます。
また、より本格的な知識を習得して戦略について考えたい方は、プロに相談することも視野に入れると良いでしょう。
業界のトレンドを理解する
三つ目は「業界のトレンドを理解すること」です。
本記事の冒頭でもご紹介しましたが、業界のトレンドを理解することは顧客が求めているニーズを理解することと同義です。
業界のトレンドを理解していなければ、市場から求められている価値を提供することが出来なくなってしまうため、評判や印象が悪い税理士になりかねません。
人脈やリサーチ、既存顧客へのヒアリングなどを積極的に行い、業界のトレンドを常に理解しておく意識を保ち続けることが大切です。
競合を調査する
四つ目は「競合を調査すること」です。
競合を調査することは、税理士業界に限らず集客において必要不可欠な作業です。
世の中におけるサービス内容や価格は基本的に競合や市場を基準にして決定されるので、それらの情報を全く考慮せずに構築してしまうと、顧客に全く刺さらない、もしくは自身が損をしてしまう結果となってしまいます。
サービス内容や価格、マーケティング戦略、その他の取り組み内容、様々な視点から競合と自社事務所を比較し、対策を練ることが重要です。
素人目線の情報提供を意識する
五つ目は「素人目線の情報提供を意識すること」です。
集客や情報提供を行う際によくありがちなミスとして、専門家視点で情報を提供してしまうことが挙げられます。
情報提供を通して、自社の専門性や信頼性を高めるべく、プロの視点で専門用語や知識を発信したくなるような気持ちは理解できますが、顧客や依頼者にとって最も親しみやすいのは、素人の目線で提供された情報です。
オンライン/オフライン問わず、集客を行う際は、依頼者側が目を通した際に抵抗感がなく、共感や親しみを得やすいような形で情報を提供することを意識することが大切です。
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