リスティング広告は、オンラインビジネスにとって欠かせない手法のひとつです。この記事では、GoogleとYahooの主要媒体を使って、効果的なリスティング広告のやり方について解説します。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジン上で検索が行われた際に検索結果の上位に表示される文字ベースの広告を指します。
以下は、「リスティング広告 運用」というキーワードで検索が行われた際に表示される検索結果画面であり、青枠で囲われた部分がリスティング広告です。
また、UIにおいてSEO記事などと表示方法や形態があまり変わらないリスティング広告ですが、その認知度は非常に高く、リスティング広告に接するユーザーの約半数が広告を意識していると回答しました。
(参照:Neutral Works)
上記は、2022年9月に20代~70代までのリスティング広告と接しているユーザーに対して行われたアンケートであり、約47.5%のユーザーがリスティング広告を意識していると回答しました。
このような背景からも、リスティング広告における広告効果は比較的高いと言え、キーワードや条件を適切に設定することで費用対効果の高い広告を運用することが出来るでしょう。
また、リスティング広告の大きな特徴は、広告主が自由にキーワードを設定し、広告費用をコントロールできる点です。
広告主は、キーワードに応じた入札額(CPC:コスト・パー・クリック)を設定し、広告表示の順位や予算を最適化することが可能です。
このため、効果的なキーワード選定や適切な予算管理によって、広告主はターゲットユーザーへのアプローチを最適化し、広告効果を最大限に引き出すことができます。
また、リスティング広告は、ユーザーの検索意図に応じて広告を表示するため、顕著な広告効果を期待できます。
以下がリスティング広告についての簡単なまとめです。
- ターゲットに絞り込んだ広告が表示できる
- 広告費を自由にコントロールできる、予算管理がしやすい
- 成果に応じて費用が発生するため、別の広告媒体に比べると費用対効果が高い
リスティング広告の基本的なやり方
1. 広告アカウントを作成
まずは、Google AdsとYahoo!プロモーション広告のアカウントを作成しましょう。それぞれの媒体のウェブサイトにアクセスし、アカウント作成手順に従って進めてください。
2. キャンペーンの設定
アカウントができたら、キャンペーンを設定します。以下の項目に注意して設定しましょう。
- 目的: 広告の目的を明確にしましょう(例: 販売促進、ブランディング、リード獲得など)
- 地域ターゲティング: 広告を表示させたい地域を選択しましょう
- 予算: 1日あたりの広告予算を設定しましょう
- 入札戦略: 入札戦略を選択しましょう(例: コストパークリック、インプレッションシェアなど)
3. 広告グループの作成
キャンペーン設定後、広告グループを作成します。広告グループは、類似のキーワードやターゲットに対して効果的に広告を配信するためのまとまりです。
- テーマ: 広告グループごとに明確なテーマを設定しましょう(例: 商品カテゴリ、サービス提供エリアなど)
- キーワード: テーマに沿ったキーワードをリストアップしましょう
4. 広告文の作成
広告グループができたら、広告文を作成します。効果的な広告文には以下の要素が重要です。
- 見出し: キャッチーで興味を引く見出しを考えましょう
- 説明文: 商品やサービスの特徴を簡潔に伝える説明文を書きましょう
- URL: ランディングページのURLを設定しましょう
- 表示パス: 広告の表示パスをカスタマイズし、CTRの向上を目指しましょう
5. キーワード選定と入札額設定
広告の対象となるキーワードを選定し、入札額を設定します。適切なキーワード選定と入札額設定が広告効果に大きく影響します。
- 適切なキーワード: 商品やサービスに関連するキーワードを選びましょう
- 競合調査: 競合他社の広告戦略を調査し、適切なキーワードと入札額を決定しましょう
- 入札額: 予算と競合状況に応じて適切な入札額を設定しましょう
6. 広告の最適化と効果測定
広告が配信されると、効果測定と最適化が重要になります。以下のポイントに注意して効果測定と最適化を行いましょう。
- データ分析: Google AdsやYahoo!プロモーション広告のデータを定期的にチェックしましょう
- 成果指標: クリック数、クリック率(CTR)、コンバージョン数、コンバージョン率などの指標を競合と比較して分析しましょう。
- 最適化手法: 効果が低いキーワードや広告文を見直し、改善しましょう
- テスト: A/Bテストを行い、最適な広告文やランディングページを見つけましょう
リスティング広告を始める前の準備
1. WEBサイトやLPの整備
リスティング広告を始める前に、WEBサイトやLP(ランディングページ)が適切に整備されていることが重要です。以下のポイントをチェックしましょう。
- デザイン: クリーンでユーザーフレンドリーなデザインが求められます
- コンテンツ: わかりやすく、価値ある情報が提供されていることが重要です
- ナビゲーション: サイト内のリンクが適切に機能し、ユーザーが目的のページへ簡単にアクセスできることが求められます
- レスポンシブデザイン: スマートフォンやタブレットでも閲覧しやすいデザインになっていることが重要です
- ページ速度: 高速にページが表示されることで、ユーザー体験が向上します
2. ゴール設定
リスティング広告を始める前に、達成したい目標を明確に設定しましょう。具体的な目標を設定することで、広告効果の測定や最適化がしやすくなります。
- 月間の売上目標が100万円
- 期間中に100件の受注を獲得
- 新規顧客獲得数を月間50名に増やす
- 問い合わせ数を月間30件以上に増加させる
- サイトの登録会員数を月間200名増加させる
このようにリスティング広告を配信して得たい具体的な目標(ゴール)を設定するようにしましょう。
3. 予算計画
広告運用にかかる費用を見積もり、適切な予算計画を立てましょう。始めは小さな予算でテストを行い、効果が出たら徐々に予算を増やすという方法もおすすめです。
以下、僕の予算計画の一例です。
- まず1件成約(問い合わせ)するといくらの利益が出るかを把握する
- 利益に対して目標CV数・目標CPAを設定する
- まずは1日の予算を1000円〜2000円程度に設定
- 目標CV数・目標CPAを達成できたら予算を1.5倍
リスティング広告運用時の注意点
1. 除外キーワードの設定
関連性の低いキーワードで広告が表示されることを防ぐために、除外キーワードの設定をしましょう。除外キーワードは、広告が表示されたくないキーワードを指定することで、無駄なクリックを防ぎ、広告費用を抑えることができます。
2. デバイスターゲティングの設定
ユーザーがどのデバイスでアクセスするかによって、広告効果が異なる場合があります。デバイスターゲティングを活用し、スマートフォンやタブレット、デスクトップなどのデバイスごとに最適な広告配信を行いましょう。
3. リマーケティングの活用
訪問者が一度サイトを訪れた後、再度訪問する可能性を高めるためにリマーケティングを活用しましょう。リマーケティングは、過去にサイトを訪れたユーザーに対して広告を表示することで、コンバージョン率(CVR)を向上させる効果が期待できます。
しかし、リマーケティングには注意点もあります。
- クリック単価が高くなりやすい
- Cookieが廃止されてしまうとリマーケティングができなくなる
※Cookie:Webサイトに訪問したユーザー情報を一時的に保存する仕組みのこと
4. コンバージョン追跡の設定
広告効果を正確に把握するために、コンバージョン追跡を設定しましょう。コンバージョン追跡を設定することで、どのキーワードや広告が成果につながっているかを把握することができます。
5. 定期的なレポート作成と分析
効果的な広告運用のためには、定期的にレポートを作成し、データ分析を行うことが重要です。分析結果をもとに、広告の最適化や戦略の見直しを行いましょう。
リスティング広告を導入すべき企業とそうでない企業
リスティング広告は少額から始められるメリットがあり、導入のハードルが低いことは事実です。しかし、その中でもリスティング広告の導入すべき企業とそうでない企業があることも事実です。ここでしっかりと理解をしておきましょう。
リスティング広告を導入すべき企業
ズバリ、検索ボリュームが多い・高単価サービスを提供している・利益率が高いビジネスを展開している企業は向いているでしょう。以下がその一例になります。
- 不動産・工務店・リフォーム業界・外構工事など高単価サービス
- 化粧品・健康食品・スキンケア商品など
- 金融商品・育毛剤などのネガティブ商品
- おせち・お中元・お歳暮・カタログギフトなどの一時的にニーズが高まる商品
上記の商品やサービスを取り扱っている企業の場合、リスティング広告の配信で成果が出せる可能性が高いです。しかし、既に他社もリスティング広告を実施しているので、競合も多く、広告予算の勝負になってくるケースも少なくはありません。競合調査を事前にしっかりと行い、リスティング広告を開始しましょう。
リスティング広告に向いていない企業
ズバリ、検索ボリュームが少ない・低単価サービスを提供している・利益率が低いビジネスを展開している企業は向いないでしょう。以下がその一例になります。
- 100円ショップ商品・文房具・ノートなど安価でリピート性が少ない商品
- 一般的な書籍やCDなど競合が多く差別化が困難な製品
- 特殊な用途のネジや工具品などの極端に知名度が低く、検索が少ないアイテム
- 店舗への誘導が目的のカフェやサロンなどの来店型サービス
このような状況にある場合、まずは自社サービスに関連性の高いキーワードで検索を実行し、リスティング広告が表示されているかどうか確認することがおすすめです。もし広告が表示されていなくても、リスティング広告を試すことは禁止されているわけではありません。自社の商品・サービスの特性を把握し、戦術を立てることで、成果を上げる可能性が高まります。リスティング広告の実施を検討する際には、広告代理店などの専門家にアドバイスを求めることも視野に入れましょう。
リスティング広告を効果的に使おう!
この記事では、初心者がリスティング広告を始められるように、さらに詳しい情報を提供しました。リスティング広告を成功させるためには、準備、運用、最適化の各ステップが重要です。適切な戦略立案と効果測定を行いながら、以下のポイントにも注意して広告運用を進めましょう。
- 広告アカウントの作成
- キャンペーンの設定
- 広告グループの作成
- 広告文の作成
- キーワード選定と入札額設定
- 広告の最適化と効果測定
- ウェブサイトの整備
- ゴール設定
- 予算計画
- ネガティブキーワードの活用
- デバイスターゲティングの設定
- リマーケティングの活用
- コンバージョン追跡の設定
- 定期的なレポート作成と分析
リスティング広告は効果的なオンライン広告手法のひとつですが、成功を収めるためには、適切な戦略立案と効果測定が欠かせません。この記事が、皆さんのリスティング広告運用の参考になれば幸いです。